Pile up my life

自分で考える練習

「好き」でつながるポジティブな世界を言葉で広げていく


私はオタクといわれる人々に強い憧れを持っている。オタクとは、自分の好きなものをどこまでも探求し大きな愛を持って接している人だ。

オタクの方は推しそのものだけでなくあらゆる方面に細かな神経とセンサーを張り巡らしているので、視野の広げ方が大きく、推しに関連する情報を嗅ぎ分ける力やそれに対する瞬発力、深め方、表現の仕方がずば抜けている。そして経済まで回している。彼らの能力は本当に素晴らしい。今回はまさにそのような"オタク"であり、言葉の力で沢山の人々をあるゲームの世界に引き込んでいるJiniさんの本を手に取った。

 

私も好きなものは何かしらずっとあるので、自分の胸だけには収まりきらない感情に陥った時にそれを言語化しようとするのだが、それがなかなかうまくできない。特にスピード感を持って冷静な言葉を綴ることが難しく、ついエクスクラメーションマークを多用したりただただ感嘆詞を発するのみになってしまうので、何か言語化のヒントがあればと思ったことがこの本を読んだきっかけである。

(知らない間に*Kindle Unlimitedに含まれていた) *月額980円でAmazonの対象書籍読み放題プラン

 

この本は、個人的な心の叫びの言語化というよりは、より広くたくさんの人に対象物(推し)の魅力を知ってもらい、あわよくば一緒に好きになってもらうという目的を持った文章の書き方とその心得が書かれていた。私が得たかったものよりももっと壮大な話で、大変勉強になった。

まずそもそも、企業が自ら宣伝して売り出すよりも口コミやインフルエンサーによって商品が広まっていく方が経済効果が大きいと言われる現代では、「好き」を言語化することがとても重要であるとのことだった。そしてそれをするためには、対象物への深い理解と情熱の両方が必要であることも知った。どちらかではなく両方を使いこなすには、一つの好きなことに対して相当の時間を費やす必要がある。著者のJiniさんをはじめ誰かの製作物を愛をもって広める天才は、自分で0からモノを創れる天才と同じくらいに尊い存在であり、それはれっきとした商売として認められるべきものだと感じる。

 

自分を振り返ってみると、確かにいつも好きなものはあるけれどどれも浅いところで満足しているし、最近では同じ感情を他の人と共有したり共鳴したいという願望もない。私の情熱は、私と対象物(推し)の間で完結していて第三者の存在がない。

でももし自分から生まれた文章表現が誰かに伝わり、心が動いたり対象物に関心を寄せてもらえるようなことがあれば、それは「人に影響を与えた」という意味での喜びが発生すると思う。その喜びを追求するのも良いかもしれない。

 

商品を売ることを目的としなくても、他者とのコミニュケーションにおいて自分の好きなことを語れるスキルというものは持っていて損はないというかむしろ持っていた方が良いであろう。その人が何を好きでどんな風に語るのかということは、何よりの自己紹介となり、"伝わる"からだ。

どうせ人とつながるならば、学校や会社などではなく好きなものや趣味を介して繋がる関係性の方がハッピー指数が高い。辛い現実、考えたくない日常をたったひととき忘れられる時の繋がりこそ「好き」というポジティブだけで埋め尽くしたいし、やがて別の界隈にも好きが広がっていくと人生のハッピー指数も増していく。それを繋いでいくのは言葉である。

 

ただ発信をする場所については、よく考えて選ぶ必要がありそうだ。

プラットフォーム(SNSやブログなど)によって書き方やアピール方法を変えようとしても、スキルがない場合簡単にできることではない。自分に合った、やっていて辛くならない媒体を吟味し絞ってしまう方がメンタル的な健康が保たれると思った。

 

 

私が次に行動すること

  • 瞬発力と短文力が必要なX(Twitter)で叫ぶのを一旦諦め、ブログでじっくり型に振ってみる
  • 自分が感じた素直な感想や感情を言語化する練習から始める
  • 何かとことん深く知ってみたいと思える、人に勧めたり売ってみたいものはないかと意識して生活する(ないかもしれない)

 

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